取引をするには、売買のために注文を出さないといけないわけなのですが、
この注文方法が結構複雑というか、
名前がアルファベットのものもあって覚えにくいというか…。
でも、この注文方法をクリアしないと、取引にはすすめないので、
ゆっくり見ていくことにしましょう。
くれぐれも入力間違いには気をつけてくださいね。
まずは注文の種類をちらっと先にお見せしましょう。
注文の執行条件 |
注文の種類 |
プライス |
通常 |
指値 (プライス) |
通常 |
IFD |
OCO |
IFO |
逆指値(ストップ) |
通常 |
IFD |
OCO |
IFO |
執行条件には、プライス注文・指値注文・逆指値注文の3つがあります。
執行条件というのは、
「注文を出した時に、その注文がどのようにして成立するか」ということです。
注文の種類というのは、
「指値や逆指値注文(執行条件)を、どのように組み合わせるか」ということです。
『通常』の場合は組み合わせはありません。
まだよくわからないかもしれませんが、
これから詳しく説明するので、どうか見てみてください(汗)
執行条件
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プライス注文(プライスオーダー・成り行き注文)
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プライス注文とは、わたしたちが注文を出した瞬間の実勢レートで約定する注文方法です。
随時変化していく為替レートを見ながら、自分が買いたい!
(もしくは売りたい!)と思ったレートで
この注文を出すと、出した瞬間のレート価格で買う(売る)ことができます。
この方法はシンプルですよね。
自動売買
自動売買を利用すると、感情やそのときの状態にゆさぶられることなく、
自分のルールにした がって取引することができます。
また、取引にかける時間があまりない人にとって強い味方です。
ここより下の注文方法はすべて自動売買の注文方法です。
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指値注文(リミットオーダー)
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これは「この価格まで下がったら買ってください」「この価格まで上がったら売ってください」
という注文方法です。
指値注文を出すと、今現在よりも有利なレートに変動して、
希望価格に達した場合に、注文が成立します。
今、レートが1ドル105円50銭とするならば、
指値の買い注文では、105円50銭よりも有利なレート、
たとえば105円00銭(あなたが買いたい価格)を指定して、
本当にその価格になったときは自動で買っておいてくれます。
これは、今よりも安く買うための注文方法ですね。
指値の売り注文では、105円50銭よりも有利なレート、
たとえば106円00銭(あなたが売りたい価格)を指定して、
本当にその価格になったときは自動で売っておいてくれます。
これは、今よりも高く売るための注文方法です。
この注文方法を利用すれば、忙しくてせっかくの買い時・売り時を逃がしてしまう!
なんてことも減りますよね。
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指値注文(ストップ注文)
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この名前を見た通り、指値注文の逆 ということです。
指値注文では、今現在よりも有利なレートに変動して、
希望価格に達した場合に注文が成立するとお話しました。
逆指値注文では、今現在よりも不利なレートに変動して、
設定価格に達した場合に注文が成立します。
つまり逆指値注文は、
「この価格まで下がったら売ってください」「この価格まで上がったら買ってください」
という注文なのです。
???
為替は安く買って高く売る(もしくは高く売って安く買う)ことでもうけが発生したはずですよね。
今よりも不利なレートに変動したときに注文が成立するのでは、
あんまりよくないように思えます。
っつーか、よくないです。
なぜかというと、高く買う(または安く売る)ことになってしまうのですから。
ではどうして、このような注文方法があるのでしょうか?
その秘密を探るためにも次のたとえを見てみましょう(大げさな… ( 笑 ) )。
今、あなたは1ドル105円00銭で1万ドルの買いポジションをもったとしましょう。
このような買いポジションをもつということは、
1ドルが105円00銭よりも値上がりするという予測をたてたからです。
なんせ安く買って高く売ることでもうけが生み出されますからね。
しかし、円安ドル高になると予測したものの、
1週間後に1ドル100円20銭になってしまいました。
この時点で決済すると…
(100.20 − 105.00)× 1万 = 48 , 000
なので、損は4 , 8000円になります。
ここで決済するの嫌じゃないですか?
48 , 000円の損を確定してしまうのは誰もがいやだと思います。
(大きな取引をしている人は別ですが ちぐさのような初心者トレーダーにとっては痛い金額です)
「もしかしたら、せめて104円ぐらいまでは、またあがるかもしれない」
なんて淡い期待を持ってしまいがちです。
でも、為替市場では何が起こるかは誰にもわかりません。
もっともっと下がり続けることも、ないとは言えないのです。
これ以上下がらない、とか、これ以上上がらない、といった保証はないのですね。
そこで、この逆指値注文の登場です。
あらかじめ、103円00銭にまで下がったら、そこで損を確定してしまおうと決めておく、
つまり逆指値で103円00銭の決済注文を出しておくのです。
すると、損をするのには変わりませんが、
(103.00 − 105.00)× 1万 = 20 , 000
20 , 000円の損で食い止められます。
確かに、損をするのは嫌ですが、避けられない場合は必ず出てくるでしょう。
それならば、少しでも損を小さくすることが大事になってくるのです。
ここまで下がったらあきらめようという価格をあらかじめ決めておいて、
その価格になったら決済する、という注文を出しておけば、
損を許容範囲内におさめることができます。
今現在よりも、不利なレートに変動して設定価格に達したときに注文が成立する、
逆指値注文は、損をできるだけ小さくする注文方法なのです。
では、逆に予測どおりに円安ドル高にすすんだ場合をみてみましょう。
1ドル105円00銭で1万ドルのポジションをもった一週間後
1ドル108円50銭になりました。
ここで、あなたはふたつの分かれ道の前に立たされることになります。
今決済してしまえば、
(108.50 − 105.00)× 1万 = 35 , 000
35 , 000円のもうけが確定します。
でも、もしこのまま円安が進んで、もしかすると1ドル110円まであがるかもしれません。
もしそうなるなら、ここで決済をしてしまうのはもったいないですよね。
こんなときにも登場するのが逆指値注文(笑)
たとえば、107円00銭で逆指値の決済注文を出しておくのです。
すると、もしこのまま円安がすすんだ場合は、
もちろん上がった価格で決済すればいいですよね。
でも、円安傾向がストップして、
ドル安が進んだ場合でも損をする前に107円で決済してくれます。
ということは、
(107.00 − 105.00)× 1万 = 20 , 000
少なくても20 , 000円の利益は手にすることができるということです。
確実に利食いをしていますね。スバラスィー♪
確実に利食いをするためには、常に現在のレート対応して指値を変更していくということです。
逆指値注文を出すときに、
たとえば、108円のときには指値は107円、109円のときには108円、というように、
1円円安が進んだら、1円指値を切り上げていきます。
このことを専門用語では、「トレーリングストップを使う」と言うそうです。
これもひとつのリスク管理の方法ですね。
108円のときに107円、といった指値は、たとえばの場合なので、
あなたのルールに従って、指値は決めてくださいね。
注文の種類
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IFD (アイ・エフ・ディー)注文
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IFD というのは、英語の if done (イフダン)の略です。
if というのは、「もし〜ならば」という意味です。
if done というのは、「行なわれたならば」という意味になります。
新規の注文 A を出したときに、その注文が成立したら(注文通りに行なわれたならば)、もう
一つの注文 B が有効になるという、2つがセットになった注文方法です。
A や B の注文というのは指値注文や、逆指値注文のことを言います。
これも具体例でお話していきましょう。
例えば、今現在のレートは1ドル104円20銭とします。
あなたは、このレートを見ながらこんなふうに考えています。
「103円50銭になったら買いたいなぁ、
それでもし買えたら、105円30銭ぐらいで売り決済をして、もうけを出したいなぁ」
ここで役立つのが IFD 注文なのです。
新規の注文 A を出したときに、その注文が成立したら、
もう一つの注文 B が有効になるという、2つがセットになった注文方法なのですから、
A と B の二つの値を入力しないといけませんね。
この例でいう A の注文とは、「103円50銭で買う」という指値注文です。
B の注文とは「105円30銭で売る」という指値注文です。
この2つを組み合わせて、 IFD 注文を出します。
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OCO (オー・シー・オー注文)
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OCO というのは英語の One Cancels the Other の略です。
2種類の注文をセットで出して、かたほうの注文が成立したら、
もうひとつは自動的にキャンセルになる注文方法です。
この2種類の注文とは指値や逆指値注文のことです。
これも例でお話していきますね♪
この注文方法では大きく2通りの取引が考えられます。
買い & 買い ・ 売り & 売り のセット(ポテト・ジュース付き←ウソです(笑))
@買い & 買いの例
今、為替レートは1ドル105.00円です。
そこであなたは、 OCO 注文で、
103.50の買い指値注文と106.50の逆指値注文をセットで出しました。
指値注文というのは、現在のレートよりも有利な指値で出す注文です。
逆指値注文というのは、現在のレートよりも不利な指値で出す注文です。
さて、こんな注文を出したあなたの頭の中をのぞいてみましょう♪
まず、103.50円で出した指値注文についてです。
今、105.00円のレートが、103.50円で買えれば、安く買うことになるので、
もちろんもうけるチャンスが大きくなります。
できるだけ安く買うことが大事なのですから。
今より安く買ってやるぜ!!という考えから、この注文を出しているのです。
では、次に、106.50の逆指値注文については…?
今、105.00円のレートだったのに、106.50円以上で買うことになります。
今よりも高く買うなんて…。
あまりいい注文には思えませんよね。
でも、「もし106.50円まであがったら、そのまま上昇していく」
という予測をたてていたとしたら、どうでしょうか。
たとえば、110.30円まで上昇した場合は、106.50円で買っていれば、
これもまた、もうけのチャンスとなります。
確かに、105.00円で買っていれば、もっと多くのもうけを出せていたわけですが、
円安ドル高に進んだ場合と、円高ドル安に進んだ場合の、
ふたつの可能性を考えていたほうが、
もうけを出す確立を高くできるかもしれません。
ただし、106.50円まであがったといって、
まだ円安ドル高に進むかどうかはわからないので、
自分で判断をしなくてはいけないですけどね。
A売り & 売りの例
このセットは、例えば今、買いのポジションをもっていて、
決済しよう(売ろう)とするときに使います。
この場合は、決済指値注文 & 決済逆指値注文のセットです。
決済指値注文は、今よりも多い利食いのための注文。
決済逆指値注文は、今よりも少ないけれど、最低限のもうけを確保するため(利食い)、
あるいは、損切りのための注文です。
指値 & 指値・逆指値 & 逆指値のセット(あつあつアップルパイもつけちゃう!←しつこい?)
@指値 & 指値の例
このセットは、例えば、今1ドル105.00のレートで、
「これから、103.40まで下がったら買いたいなぁ。
でも、107.50ぐらいまで上がったら、上げ止まって、次は下がるだろうから、
107.50になったら売りから入りたいなぁ。」
と考えたとします。
なので、103.40円で新規の買い指値注文。
107.50円で新規の売り指値注文の2つをセットで出すのです。
A逆指値 & 逆指値の例
このセットは、例えば、今1ドル105.00のレートで、
「これから、103.40円まで下がったら、トレンドが下向き(円高ドル安)になるな!
でももし、107.60まで上がったら、トレンドが上向き(円安ドル高)になるな!」
と、考えた時に出す注文方法です。
なので、103.40円で新規の買い逆指値注文。
107.60円で新規の売り逆指値注文の2つをセットで出すのです。
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IFO 注文
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IFO 注文とは、 IFD と OCO をくっつけた注文です。
この注文方法は、 A という注文が成立した場合、 B と C の注文が有効になります。
でも、もし B の注文が成立したら C はキャンセルされますし、
もし C の注文が成立したら B はキャンセルされます。
これはどんなときに使うのでしょうか?
これもまたまた、例でお話します。
今1ドル105.00円のレートだとしましょう。
そこで、あなたは、
103.40円の新規買い指値注文( A )と、
106.20円の決済指値注文( B )と、
102.50円の決済逆指値注文( C )の3つで IFO 注文を出します。
今より安い103.40円で買って、
その後、円安ドル高に進んだ場合は、106.20円になった時点で利益を確定したいな。
でも、もし円高ドル安に進んでしまって、102.50円まで下がってしまったときは、
しょうがないからそこで損切りをしよう。
というようなときにこの注文方法を使います。
もちろん103.40円まで下がらなかった場合は、
この注文は不成立になっちゃいますけどね。
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注文方法を見てきましたが、どうだったでしょうか?
たくさんあって複雑だったでしょうか?
わがままも聞いてくれそうでいいじゃぁん、と思われたでしょうか?
この注文方法を使いこなして、オーダーメイドの注文をどしどし出しちゃってください(笑)
あ!でもくれぐれも入力間違いのないように!
結構間違えて思ったのと違う注文が成立しちゃうことがあるみたいですよ。
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